現代柔侠伝
13 巻
あらすじ
昭和34年12月、九州炭鉱に労働争議が勃発。経営側の1000人の指名解雇に対し、組合側は、無期限ストライキで応じたのだ。石炭から石油エネルギーへの移行が時代の流れとはいえ、働く者達の暮らしや諸権利というものもある。そういうものをあまりないがしろにするわけにもいかないのである。そうして、争議は、ますます過激化、先鋭化し、日常的に「スト破り」などとの対決も求められるようになる。ヤクザの鉄心会もこの争議には、全国から1000人もの応援部隊を動員し、スト破りにも余念がないのであった。一匹オルグの山本さんが殺されたのも、このスト破りのため。柳勘一の無念さ、悲しさは察するにあまりあるものなのだ。また、鉄心会に対して、体の芯から怒りを感じているという滝村と辰は、組合側を支援するため、九州・大牟田へ。鉄心会の戦力をたたきつぶすまでは、東京にも帰らない覚悟なのだ。もっとも、世界柔道選手権の代表にも選ばれている独眼竜・柳勘一も柔道は、「社会の諸悪を敵として、正義を実践するため用いる武道」だという自己の信念のもと、滝村のもとに馳せ参じる。鉄心会との戦いは、ますます可烈化の度を深めるが、柳勘一は、いつでも勇猛果敢に先頭に立って戦うのであった…。そしてそれはこれからも絶対にそうであろう。それはそうとして、厳しい戦いのなか、柳勘一と吹雪茜の関係は順調に進展。また、九州・大牟田で知り合った「哀しき淫売」、お炭(すみ)さんとの関係は、完全にお炭さんの一方的な片思いで寂しく推移、悲しい結末を想像させる気配だ(!?)……。辺見一郎と上川路漁子の関係は、相変わらずブキミだし、労働争議にとどまらず、まだまだいろんなトコロに目の離せない、ハラハラドキドキの展開は続くのであった。
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非表示にするバロン吉元氏が約10年に渡って描き続けた大河漫画シリーズ「柔侠伝」の中でも最も読み応えのある作品です 劇画タッチの表紙からは硬派で硬い印象を受けるかも知れませんが、それだけじゃない、人物も演出も非常に人間臭く、柔と硬を併せ持った面白い作品です!
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