とみ新蔵・初期名作選(1)
とみ新蔵・初期名作選を読んだ人のコメント
シリーズ
とみ新蔵・初期名作選(5)
明治元年八月二十三日、会津藩士白虎隊・朱雀隊・青竜隊・玄武隊および旧幕兵全員は怒涛のごとき征討軍を迎え撃ってせいふう血雨の惨たる闘いを繰り広げて敗れ去った。中でも飯盛山へ逃れて絶望の果てに自刃した会津白虎隊第二番隊の最後は悲惨の一語につきるものであった。ちょうどこのおり…少年剣士らを飯盛山へ追い上げた征討軍の一隊の隊長がただ一人で死屍累々と横たわる山上へ登ってきた。若い官軍の隊長はそこで息絶えた白虎隊士が握りしめていた短冊を読み…懐中にしまって、よろめくような足取りで山を下っていった。その向かっていくところは、部下たちの待っている山下ではなかった……。(義経屋敷より)
とみ新蔵・初期名作選(8)
尼子経久の居城、富田城……城主・経久直々に呼び出された本庄助次郎は大急ぎで馳せ参じた。突然の呼び出し、要件は何かと問うと経久は「わしに命をくれぬか」と一言。流石に面食らう助次郎だったがすぐにその場で斬首されることを選んだ。経久は一喝とともに刀を振り下ろす!…も、助次郎の首は飛ばず、今のは嘘だ、助次郎にと告げるのだった。どのような状況なのか全くわからず呆然としている助次郎に、経久は話し始めた。主君の命を絶対だとする助次郎、そなたは真の忠義者だ。そのようなお主にしか頼めないことがあるのだ…果たしてその密命とは!?(城盗物語 悲士助次郎より)
紙の本で読みたかった名作をこうやって読めることに感激