寛政年間(1789~1801)江戸大相撲はその黄金期を迎えようとしていた。寛政元年冬場所(11月)、相撲司家・吉田追風が、東西の実力大関である小野川と谷風に横綱免許の証状を授与した。第四代横綱・小野川喜三郎の誕生である。そしてさらに翌寛政二年、この二横綱でさえ凌駕する大力士が初土俵を踏むことになる……その鮮烈なデビューより六年前、天明四年(1784)。信州大石村出身、太郎吉十八歳。この若者こそが現代まで無類力士と称されその名を残す、雷電為右衛門その人であった!
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雷電(2)
地引かずや
初場所の千秋楽、東前頭二枚目・名草山を降し八勝二預かりの土付かずで場所を終えた雷電の名は、一躍江戸中に轟いたのだった!
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雷電(3)
上覧という大事な土俵で初黒星を喫した雷電。立ち合いが全てだったと後悔があった。確かに先に踏み込んだのに何故押し込まれた?
雷電(4)
常山関…顔つきおとなしく人格円満の愛嬌者と言われたが、その隠された実力は確かなもの。後の雷電の最大のライバルであった…!
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