黒のもんもん組
4 巻
あらすじ
1978年から1984年という、バブル経済を前にして、さまざまな分野でさまざまな表現活動が急激な勢いで加熱していった時代。 サブカルチャーという、文化表現に新しい局面が花開いた時代。 この時代を先駆的に駆け抜けてきた『黒のもんもん組』は、文化がバブルによって沸点に達してしまう寸前に最終回を迎えます。 漫画文化の一種の到達点でもある沸点に達するまでの創作活動は、命がけを強いられます。 『黒のもんもん組』で猫十字社氏は命を削りながら「笑い」を創出してきましたが、その原点は「本質」との対峙であり、「本質」との絡み合いでした。 第3巻のあとがきを読むと、「一瞬の光やシクラメンの鉢や母のしぐさや表情や、とても繊細に編み込まれた様々な条件が重なって化学反応なんかもあったりして、あの幸せな大爆笑」になった、という美しい文章があります。 「笑い」の本質に迫る鋭い洞察です。 この奇跡のような一瞬を猫十字社氏は求め続けてきたのだと思います。 また、このあとがきには、漫画のデッサンに対する、卓越した意見が書かれています。 『黒のもんもん組』の底知れぬエネルギーは、このような「本質」への懸命な肉迫によって結実した作品でした。 しかし、猫十字社氏の挑戦はまだまだ続きます。 『黒のもんもん組』終結に引き続き、この挑戦は『県立御陀仏高校』という連載作品にバトンが手渡されます。
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